補強は今の為ならず
これは大分前にもアレしたんだけどね、日本ハムは育成に重きを置いて補強は必要最低限で済ませる球団(「済ませる」という表現が妥当かどうかは疑問符がアレ)ですが、それについてのアレを改めてアレ。
・・・いやな、今年がこう言うシーズンをここまでやっててだ、お客さんの入りも正直なところ寂しい処が見えたりするわけだ。それに対して「主力が続々抜けるのに補強を怠った結果だ!」なんてアレとかね。いやいやいや、補強を怠るもなんも、日本ハムって補強をチーム編成において重要視、多用する球団でしたっけ?基本はスカウティングと育成で、その育成も一軍二軍を問わず試合出場を重視するって方針ですよね?これは皆さん御存知の事かと思ってたんですが、そうじゃない人もそりゃ居るんでしょうね。
まぁ、騒いでる人らは知らないんじゃなく、知らないふりですとか知ってるけど賛同できないとかでしょうかね?或いは上手く回ってる時は「これがふぁいたあず!」とか持ち上げて、ちょっと辛くなると「駄目だ!駄目だ!」と言い出すですとかね。まぁ、いずれにしろアレですが。
なんだか「なぜ出来上がった選手を買わずに自分達で育てるのか?」と言うのを都合よく忘れちゃった"真のファン"とか"本当のファン"とか"誰にも負けないファン"とかの皆様に向けて、今一度アレしようかとね。



・・・いやな、今年がこう言うシーズンをここまでやっててだ、お客さんの入りも正直なところ寂しい処が見えたりするわけだ。それに対して「主力が続々抜けるのに補強を怠った結果だ!」なんてアレとかね。いやいやいや、補強を怠るもなんも、日本ハムって補強をチーム編成において重要視、多用する球団でしたっけ?基本はスカウティングと育成で、その育成も一軍二軍を問わず試合出場を重視するって方針ですよね?これは皆さん御存知の事かと思ってたんですが、そうじゃない人もそりゃ居るんでしょうね。
まぁ、騒いでる人らは知らないんじゃなく、知らないふりですとか知ってるけど賛同できないとかでしょうかね?或いは上手く回ってる時は「これがふぁいたあず!」とか持ち上げて、ちょっと辛くなると「駄目だ!駄目だ!」と言い出すですとかね。まぁ、いずれにしろアレですが。
なんだか「なぜ出来上がった選手を買わずに自分達で育てるのか?」と言うのを都合よく忘れちゃった"真のファン"とか"本当のファン"とか"誰にも負けないファン"とかの皆様に向けて、今一度アレしようかとね。



とかなんとか言っちゃって・・・こう言うのを言うのもなんですが、補強そのものは決して悪いモノじゃないんですよね。複数球団での奪い合いですとかマネーゲームですとか、トレードなら主力級選手の放出も上等だと、何ら躊躇う事はないと、そう言う球団であればドンドンと毎年のように補強を重ねていけばいいと思いますよ。尤も、常に移籍市場に必要な戦力が出品されてる訳では無いでしょうし、それでも実績を見て選手を選べると言うのはメリットだとは思いますが。
ですがね、補強に頼るってのはお金が凄いかかるのですよ。FAの獲得には選手に支払う年俸などの条件の他、AランクBランクなら補償が発生しますし、其処で大金ふんだくられるか選手をかっ拐われるかどちらかな訳です。これは中々高上がりだと思うんですよね。お金も痛いけど選手はもっと居たいですよ、差し出すとなったらね。
それに有名選手で争奪戦となると条件で色々と制約ができちゃったりもします。例えば複数年契約に出来高、或いは試合での起用法まで条件付きって場合もあるようで。大枚叩いてプロテクト外の選手も差し出して、それでチームの運用上支障のある起用法が条件だったらどうします?そんなのなら補強に走らない方がマシってモンですよ。こう言うのに頼らずともチームを支える太い骨は自分等で作り上げる、決してマネーゲームは出来ない球団でチーム強化となると、やはり育成とスカウティングが一番なんじゃねえかとね。
外国人選手だってそうです。余所みたいに現役バリバリの"メジャーリーガー"を呼ぶのも金がかかりますし、だからといって"当たり"ばかりじゃ無い訳で。もしも当たりだったとしても、契約更改時に大金を払うか手放すかの選択を迫られます。戦力の中枢として依存するとなると決して安くない訳で、日本ハムはそうお金のかかる戦力構成は考えられない訳で。その代わりと言っちゃなんですが、向こうで出番がもらえずに燻ってる選手を連れてきて、日本球界でもう一段の活躍を、野球選手として成長を遂げてもらおうと、そう言う考えで獲得している選手が多いのでは無いでしょうか?
そう言う意味では従来からの・・・と言うか一般的な"助っ人外国人"を理想としてる人らには物足りなくて仕方無いでしょうけど、これが日本ハムって球団だと認めるしかないんじゃ無いですかね?日本人にしてもそうですが、出場機会・・・実力に見合ったレベルの出場機会やより上を目指す為の"踏み台"を提供する、そう言う思想なんじゃないですかね?
ではトレードはどうか?トレードとなると余剰人員の交換なら兎も角、主力級として依存したい選手を獲得するとなるとそれなりの出血を迫られます。足元も見られるでしょう。その結果としてせっかく育て上げた貴重な戦力を手放す事だってある訳です。勿論それが必要であればやるしかない訳ですが、此も乱発して戦力構成の中枢であったり大部分を継続的に依存させる訳にはいかないでしょう。数年から十数年に一度か二度か?そう言うものでしょう。
以前こう言うアレをアレした時は、確か中田選手がプロ初本塁打を打った直後だったように記憶してますが、当時も「大砲は外国人、日本人は守備走塁中心の打撃は繋ぎで良い」とでも言うような認識がありました。そう言う認識が発生すると言う事は、長らく日本ハム球団が主砲を補強で賄ってきた、自前の打撃型選手は精々副砲クラスだったと言うのも影響していたと思います。近年でこそ高橋信二捕手(現:オリックス)や小谷野選手と自前の選手がシーズンの大半で4番を務める例がありましたが、それ以前は移籍選手や外国人が4番を打ってる時期が続いてた訳ですよ。
まぁ移籍選手でも稲葉選手のように移籍してきてから長いこと一線級の活躍を出来れば中軸としての起用もメリットの方が上回るでしょうが、例えば活躍すれば年俸が高騰して他球団との争奪戦になる外国人選手、或いは移籍時が頂点かやや下り始めたFAの選手、故障などで前所属球団での出場機会を失った選手・・・そうした選手を中軸に据えて何年その役目を任せられるか?次から次に同レベルの選手を他球団や海外から調達できる、或いは自前の中軸候補が育ちつつあってそれまでの繋ぎと言うならば問題ないですが、そうじゃなければ数年後に困る事になるでしょう。
中軸打者に限らず試合開始後に攻撃の起点となる1番打者、グラウンド内で守備時の戦術管制を務める扇の要の捕手、投手なら先発ローテの要となるエース格やそれに続く2番手ないし3番手、そうしたところを自前で賄えないと編成がキツくなると思いますし、補強に頼るとしても次の自前の選手の育成が一定のレベルに達するまで、そう言う時期を区切ったものと考えないと。一時期の読売のように補強選手が一軍の大半を占め、自前の選手は実戦経験も得られぬまま二軍で時を過ごすようなのは悪循環しか生まないでしょう。
大事なところこそ自前で、補強はあくまで"補強"・・・自前の選手でどうしても賄えない部分を補う、或いは自前の選手の成長を促す為の適度に抑える。その結果として現場の成績が苦しくなるシーズンもあるけれど、それは仕方のない事だと割りきる。そう言う年に翌年以降の主力候補に経験を積ませる。うやってチームを造り上げ、損耗した部分を補修するわけですよ。
例えば梨田前監督の1年目、平成20年のシーズンは3位・・・Aクラスなのにまるで最下位に転落したかのような叩かれ方をされましたが、あの年に糸井選手を将来の主力として一軍で起用した事が翌平成21年や去年・・・平成24年の優勝に繋がっているでしょうし、Bクラスに終わった平成22年に重点起用された中田選手や陽選手はいまやチームに欠かせない主力、チームの顔になっています。例えばそう言ったシーズンに一部のファンが言うような「勝ちに拘る選手起用」していたら、中田選手や陽選手は今のように育っていたでしょうか?補強選手で穴を埋めていたら・・・ね。
補強で穴を埋めた訳では無いですが、所謂「勝ちに拘る選手起用」で優勝したものの、後のチームに多くを残せなかったのがヒルマン元監督の最終年、平成19年だと思うのですよ。確かに前年より低下した打力を小技で補い、少ない点数を堅守と投手力で守り勝つ野球で優勝できました、優勝してしまいました。ですが日本シリーズでそれは破綻しました。守備力や投手力が負けず劣らずの相手との対戦では、結局得点力の差が勝負を決めてしまった訳です。あの"完全継投"の屈辱は、リーグ2連覇の栄光以上に忘れてはいけないものだと思います。
勿論ファンが望むのは勝利であり優勝であり。それに応えるのは選手も監督もコーチも、野球人であれば当然とも思います。ですがその結果として前年より低下した攻撃力・・・打撃力をほぼそのままに梨田政権に引き継ぐ事になってしまった訳で。例えばあの年に結果として優勝を逃しても、或いはBクラスに沈んでしまったとしても低下した戦力の底上げを出来ていれば、梨田政権のローンチも少しは楽だったと思うのです。
何せ梨田政権のローンチでは4番打者が居なかった。新外国人だったスレッジ選手も序盤に出遅れたり離脱があったり、前年3番を打ってた稲葉選手を4番に移すと3番打者が居なくなる。田中賢選手を3番打者に抜擢するも森本稀哲選手(現:DeNA)が負傷や不調で1番に異動、稲葉選手も4番では結果が芳しくなく・・・と、打線を形作る事に一苦労どころか百苦労ぐらいしてた印象があります。
例えばですよ?ヒルマン元監督の最終年に小笠原選手が抜けた3番打者に田中賢選手を1年早く抜擢していたら?前年から固定しきれていなかった三塁手に守備力重視で打撃は追い追いと言う感じで飯山選手を抜擢していたら?或いは川島選手や工藤選手も次代の主力としてもっともっと起用していたら?優勝は逃しても翌年以降のチームは大分違っていたと思うんですけどね。多くのファンは「梨田はヒルマンの遺産を食い潰した」なんて言いますけどね、実際はヒルマンの遺産・・・負債の処理に追われてたってのが梨田政権の1年目だったと思いますよ。ま、「ひるまんノイサンガー」はまた別の機会にでも。
そうした梨田政権が4年間で作り上げた戦力があったからこそ、糸井選手に中田選手、陽選手、小谷野選手と言う主力の充実があったからこそ、投手でも吉川投手が確りと挑戦と失敗を出来ていたからこそ、指導歴のない栗山新監督を胴上げする事が出来ました。そして今年は・・・今度は栗山監督が自身の3年目や次代の政権に残すチームを作り上げる、戦力を整備していく、そう言うシーズンなんだと思います。
ですので此処で大型補強で戦力の穴を埋めてしまっていたら、次代に活躍すべき選手が経験を積む事が出来ない。目先の1勝に拘って若手の起用を躊躇っては、今を凌げても来年再来年に泣く羽目になる。もしも梨田政権で戦力の穴を補強で埋めていたら、今ごろ中田選手が4番を打っていたでしょうか?陽選手が1番打者で結果を出せていたでしょうか?
勿論、だからといって若手だけ、実戦経験の少ない選手だけでチームを組む訳にもいかず、チームの大部分が機能不全に陥っては若手や中堅控え選手の抜擢もままなりません。思うように失敗させてあげられません。そう言う場合に適所に適材を補強する、その為に近い内に埋められそうな穴なら躊躇わずに空ける、そう言う補強はやる訳ですよ。
例えば二岡選手と林投手(現:DeNA)の獲得時。工藤選手とマイケル投手を放出して主にマイケル投手の放出にファンが騒然となりましたが、翌年は武田久投手が抑えに転身し中継ぎでも榊原投手が大活躍。その後榊原投手は負傷もあり伸び悩んでいますが、増井投手に宮西投手、何より移籍直後の林投手の活躍もあってマイケル投手の穴は感じられません。そして二岡選手が欠乏していた打撃力を補填し、その後は怪我もあって苦労してますが代打の切り札としても若手の見本としても欠かせない存在になってくれました。
今年のキャンプ直前に糸井選手と八木投手を放出してオリックスから獲得した大引選手・赤田選手・木佐貫投手も、赤田選手は出場機会がなく二軍で調整が続いてますが、大引選手は西川選手や中島選手の御守りや金子誠選手の介護にと内野に欠かせなくなっていますし、木佐貫投手もケッペル投手や斎藤佑投手の負傷で手薄な先発ローテを支えてくれています。
糸井選手が抜けた穴は攻撃面ではいまだ不安定ですが、右翼手は大谷投手に佐藤選手、鵜久森選手と実戦経験を積むいい出場機会を齎しています。杉谷選手も右翼が空いて出場機会を得た選手の1人ですね。実はここに赤田選手の存在意義と言うか価値がありまして、こう言う若手や伸び悩んでた選手が全て結果を残せなかった場合、その時のバックアップとして赤田選手の存在は小さくないと思うのです。ほら、無駄のないトレードだったでしょ?
このように、自前の選手に出場機会を与える為の補強であれば日本ハムも躊躇わないでしょうし、出す選手と入る選手でどの様に選手起用が変化するか?そう言うのをよく考えて短期的にならない、中長期的にチームを育成していく事を考えているのだと思いますけどね。
補強は今の為ならず。今を勝つ為だけの補強ではいずれまた補強に頼らざるを得なくなる確率が高くなります。そうではなく将来の為に、将来チームを背負っていく選手の成長の為にこそ補強をする。そうしてチームの主要部分・・・主力の部分は自前で賄っていくんだよなぁ、と。
こう言う事をクドクドとアレすると「お前はファンで監督やフロントじゃないだろう」「偉そうに上から語るな」と御叱りを受けそうですけどね、俺は北海道日本ハムファイターズと言う球団を、そしてその時々のチームをこう言うふうに見て理解して応援している、こう言うチームだからこそ、こう言うチーム編成だからこそ好きだって部分は決して小さくない。
選手は人間で当然生き物、成長もすれば衰えもする。そんな選手の集合体であるチームもまた生き物で、成長したり衰えたり、更には抜けたり足したり乗っけたり、入れたり出したり盛り上がったり果てたりする訳でね。そう言うチームをどの様にして維持していくか?成長させていくか?老化の影響を少なくしていくか?そう言うところのやり方が俺は大好きだけどね。決してその場しのぎの補強だけに頼らない、育成を主体に適所の補強は確りやる。その為にアマチュアもプロもスカウティングを確りやる。そうして出来上がるチームだから俺は好きなんだ。
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ですがね、補強に頼るってのはお金が凄いかかるのですよ。FAの獲得には選手に支払う年俸などの条件の他、AランクBランクなら補償が発生しますし、其処で大金ふんだくられるか選手をかっ拐われるかどちらかな訳です。これは中々高上がりだと思うんですよね。お金も痛いけど選手はもっと居たいですよ、差し出すとなったらね。
それに有名選手で争奪戦となると条件で色々と制約ができちゃったりもします。例えば複数年契約に出来高、或いは試合での起用法まで条件付きって場合もあるようで。大枚叩いてプロテクト外の選手も差し出して、それでチームの運用上支障のある起用法が条件だったらどうします?そんなのなら補強に走らない方がマシってモンですよ。こう言うのに頼らずともチームを支える太い骨は自分等で作り上げる、決してマネーゲームは出来ない球団でチーム強化となると、やはり育成とスカウティングが一番なんじゃねえかとね。
外国人選手だってそうです。余所みたいに現役バリバリの"メジャーリーガー"を呼ぶのも金がかかりますし、だからといって"当たり"ばかりじゃ無い訳で。もしも当たりだったとしても、契約更改時に大金を払うか手放すかの選択を迫られます。戦力の中枢として依存するとなると決して安くない訳で、日本ハムはそうお金のかかる戦力構成は考えられない訳で。その代わりと言っちゃなんですが、向こうで出番がもらえずに燻ってる選手を連れてきて、日本球界でもう一段の活躍を、野球選手として成長を遂げてもらおうと、そう言う考えで獲得している選手が多いのでは無いでしょうか?
そう言う意味では従来からの・・・と言うか一般的な"助っ人外国人"を理想としてる人らには物足りなくて仕方無いでしょうけど、これが日本ハムって球団だと認めるしかないんじゃ無いですかね?日本人にしてもそうですが、出場機会・・・実力に見合ったレベルの出場機会やより上を目指す為の"踏み台"を提供する、そう言う思想なんじゃないですかね?
ではトレードはどうか?トレードとなると余剰人員の交換なら兎も角、主力級として依存したい選手を獲得するとなるとそれなりの出血を迫られます。足元も見られるでしょう。その結果としてせっかく育て上げた貴重な戦力を手放す事だってある訳です。勿論それが必要であればやるしかない訳ですが、此も乱発して戦力構成の中枢であったり大部分を継続的に依存させる訳にはいかないでしょう。数年から十数年に一度か二度か?そう言うものでしょう。
以前こう言うアレをアレした時は、確か中田選手がプロ初本塁打を打った直後だったように記憶してますが、当時も「大砲は外国人、日本人は守備走塁中心の打撃は繋ぎで良い」とでも言うような認識がありました。そう言う認識が発生すると言う事は、長らく日本ハム球団が主砲を補強で賄ってきた、自前の打撃型選手は精々副砲クラスだったと言うのも影響していたと思います。近年でこそ高橋信二捕手(現:オリックス)や小谷野選手と自前の選手がシーズンの大半で4番を務める例がありましたが、それ以前は移籍選手や外国人が4番を打ってる時期が続いてた訳ですよ。
まぁ移籍選手でも稲葉選手のように移籍してきてから長いこと一線級の活躍を出来れば中軸としての起用もメリットの方が上回るでしょうが、例えば活躍すれば年俸が高騰して他球団との争奪戦になる外国人選手、或いは移籍時が頂点かやや下り始めたFAの選手、故障などで前所属球団での出場機会を失った選手・・・そうした選手を中軸に据えて何年その役目を任せられるか?次から次に同レベルの選手を他球団や海外から調達できる、或いは自前の中軸候補が育ちつつあってそれまでの繋ぎと言うならば問題ないですが、そうじゃなければ数年後に困る事になるでしょう。
中軸打者に限らず試合開始後に攻撃の起点となる1番打者、グラウンド内で守備時の戦術管制を務める扇の要の捕手、投手なら先発ローテの要となるエース格やそれに続く2番手ないし3番手、そうしたところを自前で賄えないと編成がキツくなると思いますし、補強に頼るとしても次の自前の選手の育成が一定のレベルに達するまで、そう言う時期を区切ったものと考えないと。一時期の読売のように補強選手が一軍の大半を占め、自前の選手は実戦経験も得られぬまま二軍で時を過ごすようなのは悪循環しか生まないでしょう。
大事なところこそ自前で、補強はあくまで"補強"・・・自前の選手でどうしても賄えない部分を補う、或いは自前の選手の成長を促す為の適度に抑える。その結果として現場の成績が苦しくなるシーズンもあるけれど、それは仕方のない事だと割りきる。そう言う年に翌年以降の主力候補に経験を積ませる。うやってチームを造り上げ、損耗した部分を補修するわけですよ。
例えば梨田前監督の1年目、平成20年のシーズンは3位・・・Aクラスなのにまるで最下位に転落したかのような叩かれ方をされましたが、あの年に糸井選手を将来の主力として一軍で起用した事が翌平成21年や去年・・・平成24年の優勝に繋がっているでしょうし、Bクラスに終わった平成22年に重点起用された中田選手や陽選手はいまやチームに欠かせない主力、チームの顔になっています。例えばそう言ったシーズンに一部のファンが言うような「勝ちに拘る選手起用」していたら、中田選手や陽選手は今のように育っていたでしょうか?補強選手で穴を埋めていたら・・・ね。
補強で穴を埋めた訳では無いですが、所謂「勝ちに拘る選手起用」で優勝したものの、後のチームに多くを残せなかったのがヒルマン元監督の最終年、平成19年だと思うのですよ。確かに前年より低下した打力を小技で補い、少ない点数を堅守と投手力で守り勝つ野球で優勝できました、優勝してしまいました。ですが日本シリーズでそれは破綻しました。守備力や投手力が負けず劣らずの相手との対戦では、結局得点力の差が勝負を決めてしまった訳です。あの"完全継投"の屈辱は、リーグ2連覇の栄光以上に忘れてはいけないものだと思います。
勿論ファンが望むのは勝利であり優勝であり。それに応えるのは選手も監督もコーチも、野球人であれば当然とも思います。ですがその結果として前年より低下した攻撃力・・・打撃力をほぼそのままに梨田政権に引き継ぐ事になってしまった訳で。例えばあの年に結果として優勝を逃しても、或いはBクラスに沈んでしまったとしても低下した戦力の底上げを出来ていれば、梨田政権のローンチも少しは楽だったと思うのです。
何せ梨田政権のローンチでは4番打者が居なかった。新外国人だったスレッジ選手も序盤に出遅れたり離脱があったり、前年3番を打ってた稲葉選手を4番に移すと3番打者が居なくなる。田中賢選手を3番打者に抜擢するも森本稀哲選手(現:DeNA)が負傷や不調で1番に異動、稲葉選手も4番では結果が芳しくなく・・・と、打線を形作る事に一苦労どころか百苦労ぐらいしてた印象があります。
例えばですよ?ヒルマン元監督の最終年に小笠原選手が抜けた3番打者に田中賢選手を1年早く抜擢していたら?前年から固定しきれていなかった三塁手に守備力重視で打撃は追い追いと言う感じで飯山選手を抜擢していたら?或いは川島選手や工藤選手も次代の主力としてもっともっと起用していたら?優勝は逃しても翌年以降のチームは大分違っていたと思うんですけどね。多くのファンは「梨田はヒルマンの遺産を食い潰した」なんて言いますけどね、実際はヒルマンの遺産・・・負債の処理に追われてたってのが梨田政権の1年目だったと思いますよ。ま、「ひるまんノイサンガー」はまた別の機会にでも。
そうした梨田政権が4年間で作り上げた戦力があったからこそ、糸井選手に中田選手、陽選手、小谷野選手と言う主力の充実があったからこそ、投手でも吉川投手が確りと挑戦と失敗を出来ていたからこそ、指導歴のない栗山新監督を胴上げする事が出来ました。そして今年は・・・今度は栗山監督が自身の3年目や次代の政権に残すチームを作り上げる、戦力を整備していく、そう言うシーズンなんだと思います。
ですので此処で大型補強で戦力の穴を埋めてしまっていたら、次代に活躍すべき選手が経験を積む事が出来ない。目先の1勝に拘って若手の起用を躊躇っては、今を凌げても来年再来年に泣く羽目になる。もしも梨田政権で戦力の穴を補強で埋めていたら、今ごろ中田選手が4番を打っていたでしょうか?陽選手が1番打者で結果を出せていたでしょうか?
勿論、だからといって若手だけ、実戦経験の少ない選手だけでチームを組む訳にもいかず、チームの大部分が機能不全に陥っては若手や中堅控え選手の抜擢もままなりません。思うように失敗させてあげられません。そう言う場合に適所に適材を補強する、その為に近い内に埋められそうな穴なら躊躇わずに空ける、そう言う補強はやる訳ですよ。
例えば二岡選手と林投手(現:DeNA)の獲得時。工藤選手とマイケル投手を放出して主にマイケル投手の放出にファンが騒然となりましたが、翌年は武田久投手が抑えに転身し中継ぎでも榊原投手が大活躍。その後榊原投手は負傷もあり伸び悩んでいますが、増井投手に宮西投手、何より移籍直後の林投手の活躍もあってマイケル投手の穴は感じられません。そして二岡選手が欠乏していた打撃力を補填し、その後は怪我もあって苦労してますが代打の切り札としても若手の見本としても欠かせない存在になってくれました。
今年のキャンプ直前に糸井選手と八木投手を放出してオリックスから獲得した大引選手・赤田選手・木佐貫投手も、赤田選手は出場機会がなく二軍で調整が続いてますが、大引選手は西川選手や中島選手の御守りや金子誠選手の介護にと内野に欠かせなくなっていますし、木佐貫投手もケッペル投手や斎藤佑投手の負傷で手薄な先発ローテを支えてくれています。
糸井選手が抜けた穴は攻撃面ではいまだ不安定ですが、右翼手は大谷投手に佐藤選手、鵜久森選手と実戦経験を積むいい出場機会を齎しています。杉谷選手も右翼が空いて出場機会を得た選手の1人ですね。実はここに赤田選手の存在意義と言うか価値がありまして、こう言う若手や伸び悩んでた選手が全て結果を残せなかった場合、その時のバックアップとして赤田選手の存在は小さくないと思うのです。ほら、無駄のないトレードだったでしょ?
このように、自前の選手に出場機会を与える為の補強であれば日本ハムも躊躇わないでしょうし、出す選手と入る選手でどの様に選手起用が変化するか?そう言うのをよく考えて短期的にならない、中長期的にチームを育成していく事を考えているのだと思いますけどね。
補強は今の為ならず。今を勝つ為だけの補強ではいずれまた補強に頼らざるを得なくなる確率が高くなります。そうではなく将来の為に、将来チームを背負っていく選手の成長の為にこそ補強をする。そうしてチームの主要部分・・・主力の部分は自前で賄っていくんだよなぁ、と。
こう言う事をクドクドとアレすると「お前はファンで監督やフロントじゃないだろう」「偉そうに上から語るな」と御叱りを受けそうですけどね、俺は北海道日本ハムファイターズと言う球団を、そしてその時々のチームをこう言うふうに見て理解して応援している、こう言うチームだからこそ、こう言うチーム編成だからこそ好きだって部分は決して小さくない。
選手は人間で当然生き物、成長もすれば衰えもする。そんな選手の集合体であるチームもまた生き物で、成長したり衰えたり、更には抜けたり足したり乗っけたり、入れたり出したり盛り上がったり果てたりする訳でね。そう言うチームをどの様にして維持していくか?成長させていくか?老化の影響を少なくしていくか?そう言うところのやり方が俺は大好きだけどね。決してその場しのぎの補強だけに頼らない、育成を主体に適所の補強は確りやる。その為にアマチュアもプロもスカウティングを確りやる。そうして出来上がるチームだから俺は好きなんだ。
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