・・・大昔のアニメ「宇宙船サジタリウス」のオープニング主題歌の歌詞の一部だが、なんと夢のないことかw子の歌詞を聞いて胸をときめかす少年少女はどれだけいるだろうか?元少年や元少女ならwktkかもしれませんが。
決してスーパーヒーローじゃない主人公が会社勤めからリストラ、新会社設立にドジで間抜けでピンチの連続な大冒険と言った物語でしたが、なんと人間臭い事か。そこにはダルビッシュみたいに輝くヒーローも、中田や陽のように活きの良い若者もいません。悩んだり、優柔不断だったり、尻に敷かれたり、そんな情けない奴らが事件に巻き込まれ、擦った揉んだしていく。それのなんと痛快な事か。
何をやらせてもダメ。偶に良い事があって期待すると、次は御約束のようにダメ。そんな選手に心当たりありませんか?あるでしょう。最近ならば糸数や吉川、八木なんかそうですし、野手ですと今成や抹消された鵜久森、去年の春先に金子誠が離脱したときには、今浪や加藤政、飯山なんかもそういった印象はありました。
でも印象はそうでも、確り成功してる場面もそこそこあった訳で、それを見ているからこそ、失敗しても期待しちゃうんですよ。
こういう選手たちが失敗をすると決まって「どうしていつもこんな調子なんだ、これで何度目だ」「いつも同じじゃないか、本当にダメなやつだ」「評価に値しない、甘やかしては駄目」なんて声が乱れ飛ぶんですが、そういう方々は100%近い成功率を誇る選手だけでチームを回せるとでも思っているのでしょうか?また、自分がそうやって"駄目出し"した選手がいなくなれば、完璧な集団になれると思うのでしょうか?
まず、完璧な集団など有り得ません。完璧に見えるものにでも欠点とか問題とかは確実に存在します。それが健全な状態ですし、ある意味完璧とも言えるんですが。
例えば一見完璧すぎるソフトバンク。多村が離脱しましたが、それでも控えの面子に松中、オーティズと、1人2人欠けてもまだまだです。さらに他球団ならスタメンクラスの長谷川もいますし、捕手としては難があっても打撃のいい田上も、他所なら内野か外野、或いは指名打者でスタメンでしょう。
ですが、それだけ充実していても問題はあります。充実しすぎていて、スタメンレギュラー以外の選手の出場機会が中々得られないという事。終盤の守備固めなどはあるでしょうが、長谷川とかはそんな使い方をする選手じゃないですし、FA流出が懸念される川の後継者も経験を積ませられません。
勿論、それで勝ててるから今はいいのですが、例えば松中小久保が更に劣化したりとか、外国人が期待された働きをできなくなったりですとか、主力にFA流出されたり、そういう事があると、いきなり経験不足の選手を・・・半人前にも満たない選手を使わなければいけない事態になりかねません。或いは更に補強を重ねるか。
逆に今は状態の良くない阪神や広島、ロッテなんかは逆に恵まれているのですよ。主力とかを気にせず、好きな事を好きなだけできるんですから。ここでカッコつけようとしたら余計に悪くなりもしますけど、この機会に普段出場機会を得られない選手にも出番を与えられれば、後々役に立つはずです。まぁ、わかっていても好きにはできないものですけどね、中々。
そうしていま元気を取り戻しているのが横浜、そして短期間のサイクルですがオリックス。横浜は「今年も駄目」なんていう声もありましたけど、"失うモノが無い"という立場を上手く使ってセリーグをかき回してますね。交流戦が終わってセの球団と対戦するようになれば、案外面白くなるかもしれませんよ。CSをハマスタで行う可能性も充分ありますし、CS争いは濃厚、仮にCS進出が為らなくともその行方を握る鍵にはなるのではないでしょうか?
オリックスは交流戦前はどん底の状態でしたが、交流戦に入るとセのチームを踏み台に調子を昇らせ、今では西武と3位争いです・・・って直接は戦って無いですがwパリーグのチームとの対戦で上げた調子じゃないのは気懸かりですが、それでもパの他球団が負けてる相手に勝ってる訳で、一定の強さを見せていると思います。
なんだかわからない方向に逸れて行ったので軌道修正、閑話休題。チームはダルばかりでは回らない、糸井や小谷野ばかりでも回らないという事。「甘やかすな」と言われるような"半端者"だって、チームには居る訳ですし、そうした彼らの戦い様こそがチームを、ペナントレースを動かすのではないかと。
先日の糸数の投球、確かに初回いきなり満塁にしたり、或いは4回に連打を喰らって失点したり、果てには6回、走者を2人出して1死も取れず降板と、決して褒められる"結果"でなかったのは事実です。ですがその中に糸数の確かな成長を感じた私は甘いのでしょうか?もしそれを「甘い」と罵られるのならば、私は甘ちゃんでいい。信じたい選手のためならば、甘ちゃんだろうが鬼畜だろうが何とでも呼ばれてやる。
初回の満塁は確かに良くないですが無失点で切り抜けました。4回は2失点したものの、犠飛のアウトで流れを断ち切り、それ以上の失点は防げました。以前の糸数ならば、初回で2点ほど、4回は犠飛の後も走者を溜めて、最悪4回途中で降板だったでしょう。そうならなかったのは認めてあげて欲しい。その上で「更に上を目指せ、それでもまだまだだぞ」と言うのなら、それはそのとおりだと思うが。
だが「試合を作ったなんていえない」「5回0/38安打2失点なんて」と罵られるほどに酷くはないと思うが。この程度の内容ならば、ダルは流石に今年はそうそう見られないでしょうけど、武田勝やケッペル、ウルフだってあるでしょうし、それでも勝ち投手になることもあるでしょう。そして彼らは絶対に「試合を作ってない」「甘やかすな」とは言われないでしょう。
この糸数の2失点、良かった事がそのまま吉川の良くなかった事なんですよね。糸数は犠飛で2点目を献上しながらも、そのアウトで流れを断ち切れたのですが、吉川は2失点後に宮本の安打で畠山の生還を許さず1死、そして藤本を一ゴロで2死としましたが、相川敬遠で満塁策の後に投手の石川に押し出し死球と踏ん張りきれませんでした。
勿論、これで吉川が絶対的に駄目だというのではなく、失点機に2失点で後続を断てた糸数を認めたいのですよ。勿論、2失点よりは無失点のほうがいいですし、6回1死も取れず降板よりは7回あたりまで投げきってくれたほうが良いに決まってますが、だからと言って「評価に値せず」と全てを切り捨てるのは如何なものか?
以前の糸数ならば6失点7失点してもおかしくなく、4回途中でKOもあったところを踏ん張れた。それの何がイカンのですか?いきなり3安打完封とか、それこそ無安打無失点でもやらなきゃいけませんかね?エースと同等の活躍をしなければ何一つとして認めてもらえないのですか?糸数は。
中日打線が本調子じゃないとか、抑えて当然だから失点する事は有り得ないとか、それを言ったら日本ハムだって同じですよ。糸井は背中の痛みを抱えて居ますし、小谷野を欠いて4番は経験の浅い中田。ホフパワーだっていまいちノレていません、他所ならスタメンから外れているかもしれません。そうした意味ではおよそイーブンだと思うんですけどね。
吉川の話も出しましたけど、吉川も糸数も希望はありますし、魅力が徐々に輝き始めてますよ。確実に以前より成長を見せていますし、それを感じられない方々はよほど鈍感なのか、それとも感じたくない・・・吉川や糸数は認めたくない、そういう方なんでしょうね。
確かにダルのようなネプチューンマンとスーパーフェニックスと悪魔将軍を合成したような超人では無いですし、武田勝やケッペル、ウルフのように最低限の仕事も後僅かでできなかったりもしますよ。でも、そこに近づきつつある、近づこうと藻掻いてるじゃないですか?誰でもいきなり完璧にできるわけじゃないですよ。武田勝だって一昨年初めて二桁勝てたわけですし、ウルフやケッペルはある程度見込める完成品の輸入ですし。
なんていうかね、投手陣が整いすぎてて目がおかしくなってる部分はあるのかな?と。おかしいと言うか基準が非常に高くなってると言うか。ダルが飛び抜けていて基準にならないのは承知してても、そのおかげで武田勝やケッペル、ウルフの仕事が最低限と勘違いしているんじゃないかとか。この3人も、エース不在のチームに居ればエース格として回される投手ですよ?これでも基準は充分高いんですよ。
逆に、糸数や吉川といったレベルの投手でもローテーションに組み込まざるを得ないチームもある訳です。そうしたところは来年再来年強くなりますよ。経験を積んだ半人前が一人前に成りますから。その半人前から一人前に成る過程にいるのが糸数であり、吉川なんですよ。
投手陣で言えば、谷間の無いソフトバンクのローテーションなんかは明らかに異常ですが、ローテ投手が4人も固まってる日本ハムだって充分なんですよ。その上で残り2枠で糸数に吉川、そして八木、ルーキー斎藤佑なんかを起用できるという事は、すごく恵まれているんですよ。
なんていうか極端なんですよね。ダルは別格としても、武田勝やケッペル、ウルフといった充分"超一人前"な選手だけを認めて、一人前に成ろうとしている・・・成りかけている半人前は完全否定というのは。悪いとこもあるが良いとこもある、全体では悪いとこの方が目立つ・・・じゃなくて、悪いとこがあるから全て駄目だ、甘やかすな!など、それではどんな選手だって失格、消えなければいけませんよ。残るのはダル程度ですよ。
そんな「失点してはいけません。失点機を迎えてもいけません。危なげなく全てを抑えなくてはいけません」なんて、ダルでも時々失敗するレベルですよ。それをエースではない、ローテに固定もされない投手にも当て嵌めてしまうのはどうかと。因みにダルは「打たれないのはつまらない」って言ってますね、意味はちょっと違いますが。
勿論、そういった子供に白鵬を正面から正攻法で倒せとでも言うような駄目出しも、「甘やかすな!」と言う声も、根本にはそういった選手への期待があるのは承知です。ですが、できなくて当然のところをできなかったと言って「こいつは駄目だ」と罵るのはいかがなものかと。そんあの、100か0かどっちかしかないんでしょうか?
期待はいくらしてもいいと思いますよ。「その選手に見合った期待じゃなきゃいけない、過剰な期待は禁物だ」なんてケチ臭い事は言わんですよ。でも、その選手がどういう立場の選手なのか、どの程度の働きをこれまでしてきて、今はどこを越えるべきなのか、その辺は把握してあげて欲しいと思うのです。期待は結構、でも自分の期待に応えられなかったからと言って、その選手が終わるわけではないという事です。
さて糸数、そして吉川。他にも八木であったり、中村であったり、ローテーション定着を狙う投手はいるわけです。ルーキー斎藤佑もそうですし、同じくルーキーの榎下も先発として調整しているようです。二軍で一軍のローテーションを狙う面子、これだけでもローテーションが組めるんじゃないかと思える面子ですよ。これほどの投手たちが控えていると言うのは希望以外の何物でもない筈です。
恐らく、この中から誰かは他球団に必要とされてトレードされるんじゃないかと思います。それくらい、他球団から見たら羨ましい面々です。エースではなくとも、ローテーションの末席を埋めるには充分すぎる、そう考える球団もあるでしょう。
もしも今季終了後、先発ローテが崩れる・・・今年の"四本柱"の数本が抜ける事態と成っても、来季は大きな補強はしないのではないでしょうか?去年打撃陣を補強せずに中田と陽を重点的に使ったように、来季はローテーションで糸数や吉川といったところをある程度我慢して使うのではないか、そういう気はします。
打線や守備なら1人でやるものじゃないんで何とか試合にも成りますけど、先発投手と成ればちょっと事情が違います。試合を作れるかどうかと言うのは大きいですし、下手をしたら全く試合を作れないというのが数試合に亘って連続する事も有り得ます。
そういった事に成らないように、来季そういった起用をしなければ成らない事態も想定したら、一人前に成ろうとしている糸数や吉川は、今季もできるだけ先発させて結果を出させてやる、責任を背負わせてやる事が必要なのではないでしょうか?そして、梨田監督はすると思います。
梨田監督の投手起用法として、ワンポイントの救援以外では「3つ目のアウトを取る」という事を重視しています。ですが、糸数や吉川はもう其処に拘るレベルではないと思います。3つ目のアウトではなく27個目のアウト、内容にかかわらず一定のイニング数、一定の球数を投らせる・・・最低110球6イニングスは任せると、失点は気にしない、それくらいやらせても良いんじゃないかと思います。
流石に勝敗に関わるので簡単にはできないでしょうが、試合そのものに勝った負けたよりも、その責任を糸数や吉川に負わせる事のほうが重要なんじゃないかと。「これはお前の試合だ、好きにやれ」ぐらいでやらせてもいいんじゃないでしょうかね?まぁ野手陣や、他の投手への兼ね合いってのもありますけど。
昨年スレッジが抜けて、金子誠や森本、そして夏以降は高橋信二まで抜けて、打線・・・野手陣は若手や中堅の選手が機会を得て、終盤には立派な戦力と成る成長を見せてくれました。勿論其処に至るまでに全てのファンが我慢したわけでもなく、フロントやベンチへの不満も噴出はしました。でも、それがあったからこそ、今季の活躍がある訳ですよ。
今度は、それを投手陣でやる番なのではないかと。野手のときとは比べ物に成らない苦痛、苦悩、苦労が待っているかもしれませんが、其処を乗り越えなければ次代の戦力は出てこないのです。
それが嫌なら補強しますか?戦力が欠けるたびに補強して、補強に補強を繰り返す補強依存のチーム・球団に成っても良いんですか?これくらい我慢できずに、他球団の補強を兎や角言えますか?自分たちの戦力が欠けたら「補強しろー!」って騒いで"半人前"の選手を罵って、他球団の補強は否定する。それは筋が通らないと思うんですがね。
そうした、半人前の選手が一人前の選手を目指す途上を見られるなんて、それはファンとして幸せな事じゃないですか?完成品の一人前ばかりを並べて、半人前には一人前に成る"チャンス"すら与えられない、そんなチームなんて御免ですよ。
そりゃ思うような結果じゃないかもしれない。一人前にはまだ遠いかもしれない。途中で足踏みをしてイライラするかもしれない。だけど、そういった藻掻き苦しむ一つずつが、今の彼らを強くするんです、必要な事なんです。
そりゃダルビッシュや武田勝、ケッペル、ウルフの好投は爽快ですよ。でもね、決して好投とは言えない内容ながらも着実に前進する、ごく近い将来の日本ハムを背負って立つべき選手たちの成長だって、見るべきところは沢山あるんですけどねぇ。
贅沢に慣れてしまって、そういう半人前の活躍を楽しめなくなってしまった人達って、本当に可哀想だなぁ・・・と思っちゃいますね。


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