【Re-/日本選手権読売6回戦】あの日のときめきも、もやもやした気持ちも、小さな後悔も、未来へ続く道
【一言】
我々は誇らしき敗者だ、胸を張っていい。幾分帰る客も居たが、それでも多数の観客は、敵味方を問わずに観客席に居残り、原監督の胴上げを見守り、その後の表彰式まで見届けた。さすがに表彰式の頃には空席も目立ったようだが、それでも春先の平日ナイター程度の観客は残っていた。
2007年のCS第2Sでのロッテとのノーサイド、そして去年の西武の優勝決定試合(試合はハムが西武に勝利)での渡辺監督の胴上げ、これらを見守れたのはハムがその試合を勝ったからではないか?そういう思いは杞憂に終わった。
我々は敗者だ。そして先程までの敵は勝者として先に進んで行く。その勝者を見守るのは我ら敗者の役目。それを全うできたと、私は思う。思いたい。
【攻】
あと少し、あと少しだったんだ。11安打を連ね、幾度も好機を作りながらも1点すら得点板に書き込めなかった。
初回、賢介が先頭打者安打で出塁後の稀哲の犠打失敗捕飛、これで流れを掴み損ねた。その後信二の強烈な打球が読売先発の東野を襲い内海に交代、そこでスレッジが1球でアウト。この初回の攻撃が全てだったと、終わってからは思う。
勿論、稀哲やスレッジを責める意図は無い。これらも偶々の結果、しかし偶然でありながら必然の矛盾。いくらスタンドがホームを演出していても、グラウンドレベルでは別の空気が支配していたのだろう。普段の野球をできなかった。
打線が繋がらない。その象徴が二岡の3打席連続となる2死走者有りからの凡退。第1打席は打球が良すぎて飛びすぎて中飛に、第3打席はあのバウンドがもう一癖あったなら一塁セーフでも・・・という感じなので、しっかり抑えられたのは第2打席だけといっていいのだが、記録はあくまで3打席3凡退。
そういう辺りでツキが向いてこない。この歯車が最後までかみ合うことは無かった。
【防】
本当に悔やまれる2失点だが、それでも試合はしっかり作った。それでも勝利に届かなかった。一部では著しく信頼を下げられた江尻と林も今季最高の投球を見せてくれた。それでも流れはこなかった。
投手陣に関しては最高の仕事が出来た第6戦。だからこそ、ここで悔しさがこみ上げてくる。
【敵】
「らしさ」を全開に出せて勝った。亀井と松本の存在が非常に大きかった。主砲を眠らせても、脇役がしっかり仕事をするから恐さが消えなかった。未だに「強奪だ」などと罵る者もいるが、次代を担う若手がしっかり育ち、足りないベテラン力を移籍選手で補う、理想的なチームとなった。
先発の東野がアクシデントで降板し、内海が緊急登板でスレッジを簡単に抑えたところから流れが読売に行ったような気がする。あの1球は非常に大きい。
【総】
まずは・・・読売ジャイアンツの選手の皆さん、監督・コーチの皆さん、その他スタッフの皆さん、そしてファンの皆さん、7年ぶりの日本選手権シリーズ制覇おめでとうございます。
本拠地で相手の胴上げをみなければならないということは、非常に悔しいものでありますが、これだけ強いチームと選手権を戦えたことは、勝利に届かなかったのは残念ではありますが、清々しさもまた感じております。
「らしさ」。読売の4勝、ハムの2勝。両チームの勝利はどれもらしさを100%発揮しての勝利だった。中途半端な勝利など一つも無かった。逆に、らしさを出し切れなかったチームは負けていた。もしもハムがシーズン中からの「らしさ」を出し切れていれば、結果は違っただろう。
「短期決戦はシーズンと違う」いいや違わない。違うことをやっていたら、もっと惨い結果になっていたとおもう。情の采配に選手が応え、チームのためにと一丸に勝利を目指す。そういう野球で勝ってきたのだから、これは最後まで貫くしかない。
また罵られるのだろう、「監督の差がどうとか」などと。ただ考えて欲しい。第5戦まではどちらのチームも連勝は無し、連敗も無し。つまり互角の争いを演じていたのである。その中で流れを掴んで100%を出せたチームがその試合を制してきた。最後はちょっと違ったけど、「監督の力量が~」「選手が~」などというほどの差は無かった。
第6戦、ハムの選手は「らしさ」を出せないどころか、裏返ってしまったかのような不味いプレーが続出した。稀哲のバントミスに始まり、スレッジの1球凡退。稲葉の守備にもミスが出た。7回には先頭の賢介が出塁も稀哲の併殺打でフイ。二岡も走者を置いた3打席で全て生きることができなかった。
決して技量が劣っていた訳ではない。彼らの活躍で勝てた試合もあったのだから。ただ、何かに鷲掴みにされていたような、見えない圧力との戦いに入っていたような気がする。おそらく、読売の選手や監督・コーチも、今宵のハムの「らしくなさ」は感じていただろう。だからといって手加減はしてはくれまいが。
それだけ辛く厳しい戦いを終えた戦士たち。指揮官も含め、その戦いぶりだけは認めてあげて欲しい。全国民とは言わない、全国津々浦々のハムファン、ファンを自認するのであれば、まずは認めてあげましょうよ。
「あいつがいなくなれば」「あいつは敵だ」同じハムのユニを着ているのに、そういう言われ方をしなければならない人間は、球団内に誰一人としていない。戦犯を探すことに悦楽を求めるような方は、今一度彼らのこれまでの戦いを思い返して欲しい。
「監督で負けた試合はあっても勝った試合はない」「選手は頑張ったが監督が妨害した」そんなことあるものか!幾ら自分らが梨田監督が嫌いだからといって、そんな解釈は都合が良すぎる。
糸井・菊地・宮西の一軍定着は?中田や村田の起用は?勿論選手本人の力も大きいだろうが、支えた監督・コーチの力も大きい。選手だけじゃない、監督だけじゃない、コーチだけじゃない。勿論ファンだけでもない。すべてが一つとなってこそ、この舞台まで駆け上がる事ができた。
勝ちたかった。当然、負けたくて負けたわけじゃないし、悔いは残る。だったら晴らせばいいじゃないか、来年もこの舞台に立って。そもそも、12球団が144試合を戦い抜いて、更に両リーグの頂上決戦たるクライマックスシリーズを勝ち抜いて初めて上がることができるこの舞台。
勝てることに越したことは無いが、立てたということがそれだけでも名誉だ。それを「恥さらし」などというものがいたとしたら、そいつこそ酷い恥さらしだ。
我々は名誉の敗者なのだ。今年最強のチームで無ければ下すことの叶わなかった、いわば「最強の敗者」。我々はこの舞台で負けた事をもっと誇るべきだ。出なければ我々が斃し、踏み躙ってきた敗者たちにあわせる顔がない。
もしも我々の振る舞いに異を唱える敗者がいるのなら、ならば来季こそは我々を踏み越えて、是非ともこの選手権の舞台に立っていただきたい。我々としても簡単に負けてやるつもりはない、厚く激しく楽しい季節を、また味わおう。
足りなかったものは幾つもある。戦力とかそういうものは後程と言う事にして、やはり選手権のペナントが来季バックスクリーン上方に掲げられないのは寂しい。その忘れ物を引き取りに、1年後また来よう。
【記事タイトル】
ノースリーブスで「タネ」より。
2番の歌詞からなんですが、TVサイズで。


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我々は誇らしき敗者だ、胸を張っていい。幾分帰る客も居たが、それでも多数の観客は、敵味方を問わずに観客席に居残り、原監督の胴上げを見守り、その後の表彰式まで見届けた。さすがに表彰式の頃には空席も目立ったようだが、それでも春先の平日ナイター程度の観客は残っていた。
2007年のCS第2Sでのロッテとのノーサイド、そして去年の西武の優勝決定試合(試合はハムが西武に勝利)での渡辺監督の胴上げ、これらを見守れたのはハムがその試合を勝ったからではないか?そういう思いは杞憂に終わった。
我々は敗者だ。そして先程までの敵は勝者として先に進んで行く。その勝者を見守るのは我ら敗者の役目。それを全うできたと、私は思う。思いたい。
11月7日 日本選手権シリーズ第6回戦 日本ハム2勝 / 読売4勝 / 0引き分け |
札幌ドーム 18時16分開始 3時間2分 観衆:40714人 ※読売が7年ぶり21度目、原監督は2度目の日本一 |
北海道日本ハム | 読 売 | ||
武田勝(7回2/3、88球) 江尻(1/3、4球) 林(1回、10球) | 投 手 | 東野(2/3、14球) 内海(4回2/3、65球) 豊田(2/3、10球) 山口(1回、11球) 越智(2/3、19球) クルーン(1回1/3、22球) | |
本塁打 | |||
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【攻】
あと少し、あと少しだったんだ。11安打を連ね、幾度も好機を作りながらも1点すら得点板に書き込めなかった。
初回、賢介が先頭打者安打で出塁後の稀哲の犠打失敗捕飛、これで流れを掴み損ねた。その後信二の強烈な打球が読売先発の東野を襲い内海に交代、そこでスレッジが1球でアウト。この初回の攻撃が全てだったと、終わってからは思う。
勿論、稀哲やスレッジを責める意図は無い。これらも偶々の結果、しかし偶然でありながら必然の矛盾。いくらスタンドがホームを演出していても、グラウンドレベルでは別の空気が支配していたのだろう。普段の野球をできなかった。
打線が繋がらない。その象徴が二岡の3打席連続となる2死走者有りからの凡退。第1打席は打球が良すぎて飛びすぎて中飛に、第3打席はあのバウンドがもう一癖あったなら一塁セーフでも・・・という感じなので、しっかり抑えられたのは第2打席だけといっていいのだが、記録はあくまで3打席3凡退。
そういう辺りでツキが向いてこない。この歯車が最後までかみ合うことは無かった。
【防】
本当に悔やまれる2失点だが、それでも試合はしっかり作った。それでも勝利に届かなかった。一部では著しく信頼を下げられた江尻と林も今季最高の投球を見せてくれた。それでも流れはこなかった。
投手陣に関しては最高の仕事が出来た第6戦。だからこそ、ここで悔しさがこみ上げてくる。
【敵】
「らしさ」を全開に出せて勝った。亀井と松本の存在が非常に大きかった。主砲を眠らせても、脇役がしっかり仕事をするから恐さが消えなかった。未だに「強奪だ」などと罵る者もいるが、次代を担う若手がしっかり育ち、足りないベテラン力を移籍選手で補う、理想的なチームとなった。
先発の東野がアクシデントで降板し、内海が緊急登板でスレッジを簡単に抑えたところから流れが読売に行ったような気がする。あの1球は非常に大きい。
【総】
まずは・・・読売ジャイアンツの選手の皆さん、監督・コーチの皆さん、その他スタッフの皆さん、そしてファンの皆さん、7年ぶりの日本選手権シリーズ制覇おめでとうございます。
本拠地で相手の胴上げをみなければならないということは、非常に悔しいものでありますが、これだけ強いチームと選手権を戦えたことは、勝利に届かなかったのは残念ではありますが、清々しさもまた感じております。
「らしさ」。読売の4勝、ハムの2勝。両チームの勝利はどれもらしさを100%発揮しての勝利だった。中途半端な勝利など一つも無かった。逆に、らしさを出し切れなかったチームは負けていた。もしもハムがシーズン中からの「らしさ」を出し切れていれば、結果は違っただろう。
「短期決戦はシーズンと違う」いいや違わない。違うことをやっていたら、もっと惨い結果になっていたとおもう。情の采配に選手が応え、チームのためにと一丸に勝利を目指す。そういう野球で勝ってきたのだから、これは最後まで貫くしかない。
また罵られるのだろう、「監督の差がどうとか」などと。ただ考えて欲しい。第5戦まではどちらのチームも連勝は無し、連敗も無し。つまり互角の争いを演じていたのである。その中で流れを掴んで100%を出せたチームがその試合を制してきた。最後はちょっと違ったけど、「監督の力量が~」「選手が~」などというほどの差は無かった。
第6戦、ハムの選手は「らしさ」を出せないどころか、裏返ってしまったかのような不味いプレーが続出した。稀哲のバントミスに始まり、スレッジの1球凡退。稲葉の守備にもミスが出た。7回には先頭の賢介が出塁も稀哲の併殺打でフイ。二岡も走者を置いた3打席で全て生きることができなかった。
決して技量が劣っていた訳ではない。彼らの活躍で勝てた試合もあったのだから。ただ、何かに鷲掴みにされていたような、見えない圧力との戦いに入っていたような気がする。おそらく、読売の選手や監督・コーチも、今宵のハムの「らしくなさ」は感じていただろう。だからといって手加減はしてはくれまいが。
それだけ辛く厳しい戦いを終えた戦士たち。指揮官も含め、その戦いぶりだけは認めてあげて欲しい。全国民とは言わない、全国津々浦々のハムファン、ファンを自認するのであれば、まずは認めてあげましょうよ。
「あいつがいなくなれば」「あいつは敵だ」同じハムのユニを着ているのに、そういう言われ方をしなければならない人間は、球団内に誰一人としていない。戦犯を探すことに悦楽を求めるような方は、今一度彼らのこれまでの戦いを思い返して欲しい。
「監督で負けた試合はあっても勝った試合はない」「選手は頑張ったが監督が妨害した」そんなことあるものか!幾ら自分らが梨田監督が嫌いだからといって、そんな解釈は都合が良すぎる。
糸井・菊地・宮西の一軍定着は?中田や村田の起用は?勿論選手本人の力も大きいだろうが、支えた監督・コーチの力も大きい。選手だけじゃない、監督だけじゃない、コーチだけじゃない。勿論ファンだけでもない。すべてが一つとなってこそ、この舞台まで駆け上がる事ができた。
勝ちたかった。当然、負けたくて負けたわけじゃないし、悔いは残る。だったら晴らせばいいじゃないか、来年もこの舞台に立って。そもそも、12球団が144試合を戦い抜いて、更に両リーグの頂上決戦たるクライマックスシリーズを勝ち抜いて初めて上がることができるこの舞台。
勝てることに越したことは無いが、立てたということがそれだけでも名誉だ。それを「恥さらし」などというものがいたとしたら、そいつこそ酷い恥さらしだ。
我々は名誉の敗者なのだ。今年最強のチームで無ければ下すことの叶わなかった、いわば「最強の敗者」。我々はこの舞台で負けた事をもっと誇るべきだ。出なければ我々が斃し、踏み躙ってきた敗者たちにあわせる顔がない。
もしも我々の振る舞いに異を唱える敗者がいるのなら、ならば来季こそは我々を踏み越えて、是非ともこの選手権の舞台に立っていただきたい。我々としても簡単に負けてやるつもりはない、厚く激しく楽しい季節を、また味わおう。
足りなかったものは幾つもある。戦力とかそういうものは後程と言う事にして、やはり選手権のペナントが来季バックスクリーン上方に掲げられないのは寂しい。その忘れ物を引き取りに、1年後また来よう。
【記事タイトル】
ノースリーブスで「タネ」より。
2番の歌詞からなんですが、TVサイズで。



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テーマ : 北海道日本ハムファイターズ
ジャンル : スポーツ